
石戸諭著
946円(税込) 光文社新書
良いニュースの要素とは何か、新しい記者の条件とは──。ノンフィクションライターが、ニュースの本質と未来に真摯に向き合う。
"目の前には激動する社会が存在している。すでに文学はそれを語る責任を自ら放棄してしまっている。さりとて、従来のジャーナリズムではそれを語りえない。だが、それは誰かによって語られなければならない。それはいかにしたら語りうるか。”
本書は、玉木明氏の『言語としてのニュー・ジャーナリズム』からこのくだりを引用する。とても30年前の言葉とは思われないが、まさにニュースを改革しようとする著者自身の原動力と重なっているのだろう。
石戸諭さんはジャーナリズムの世界で彼の世代を代表する実力を持つ書き手であり、そしてなおかつ一般的なジャーナリズムの枠に収まらない人である。実際の人物としての彼は、──そのいささか神経質にも見える所作と、丸縁メガネの向こうにあるはにかんだような目つきを含めて想像してほしいのだが──今後ある種のレジェンドになりそうな趣を持っている。彼の書く記事のなかにある人間的な感情とファクト(事実)のバランスはとてもいい。
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