
小川進著
2600円(税込) 白桃書房
世界に影響を与えた研究を発表した日本人の経営学者らに取材し、研究が発展し認められるまでの過程を描き出す。
著者は僕と同期デビューの経営学者。若いころは学会や研究会でよく一緒になった。同世代では若手のホープとして早々に頭角を現し、いまでもイノベーションにおけるユー ザーの役割についての研究で活躍している。
自分自身が経営学という業界(の境界領域)にいるということもあって、あまりの面白さに一気に読み終えた。日本の経営学の初期に優れた研究を発信した人々に対する聞き取りに基づいた本書は、秀逸な群像劇になっている。著者の経営学と経営学者に対する深い愛情が伝わってくる。
僕の恩師の榊原清則さん、学生のときから教えていただいた野中郁次郎さん、伊丹敬之さん、直接間接に影響を受けた吉原英樹さん、加護野忠男さん、駆け出しのころの僕にとっての研究者のモデルだった藤本隆宏さん、若いころに刺激を受けた延岡健太郎さん、武石彰さん、学生時代から一緒に勉強してきた青島矢一さんなどなど、登場人物のエピソードを読み進めるうちに、僕がまだ「学術研究」をしていた当時のことごとが去来した。
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