『能から紐解く日本史』
大倉源次郎著
1980円(税込) 扶桑社 

記紀に始まり、稲作伝来から宗教戦争、戦国の武将までの歴史、和歌や文学を取り込んだ舞台芸術「能楽」を現代に向けて読み解く。

 私は、能には全くの素人だ。一度だけ若い頃に薪能を鑑賞したことがあるが、あまりの緩慢な動きを見ていると、日ごろの疲れが出たのか、ぐっすりと寝込んでしまった。そのトラウマから能は避けてきた。

 そんな能未体験の私が能に関する本書を読んだ。のっけから感想を言って申し訳ないが、非常に面白い。まるで古代史ミステリーを読んでいるような感覚になる。なにせ書き手(インタビューされている人)は人間国宝だ。そんな尊い人が能に隠された日本古代秘史を語るのだから知的好奇心が刺激されるのも当然なことだろう。

 「国栖(くず)」は、古代史最大の軍事クーデターといわれる壬申の乱の前夜を謡った内容であるという。

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