『お金の学校』
坂口恭平著
1650円(税込) 晶文社

noteでの無料公開で30万PVを集め、話題となった書籍の普及版。「お金との関係」について著者が自らの考えや実践をつづる。

 10年間働いた出版社を辞めて専業のライターになってから6年ほどが経過するが、とにかくお金の話をよく聞かれる。問いは決まっている。「正社員として働いていた頃よりもうかっているかどうか」だ。今、ここまで読んだ人は、「で、どうなの、もうかってるの?」の答えを知りたがっているはず。知ってどうするのだろう。今のところ、当時よりはもうかっている。で、だからって、何がどうなるというのだろう。

 皆、とにかくお金の話が好きだ。それなのに、表立ってはしない。今日の天気や、昨日食べた料理と同じテンションで年収を語ろうとはしない。ヒソヒソ話す。時たま、あけっぴろげに語る人がいると、驚きつつ耳を傾ける。

 思想書もルポも小説も画集も出す物書き・坂口恭平の全体像はいつだって謎めいており、膨張を続けている。その膨張を、何より自分が楽しんでいる。近年は、希死念慮にかられる人たちに向けた「いのっちの電話」を開設し、あらゆるところに自分の携帯電話番号を載せて、対話を続けている。

 そんな坂口が、お金の稼ぎ方を全てあけすけにした上で、どうやったらお金を稼ぎ続けることができるのかを語る。ビジネス本的なメソッドが並んでいるわけではない。むしろ、自分のやり方を見つければそれがメソッドでしょう、と力強く提案してくる。

 「お金を稼ぐということについては才能の問題ではありません」

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