『エクストリーム・エコノミー』
リチャード・デイヴィス著、依田光江訳
2400円(ハーパーコリンズ・ジャパン)

災害復興、超格差社会、超高齢化社会など極限の状態にある世界9カ国を徹底取材し、世界の未来の姿を探る。

 本書はエクストリーム(極限)のエコノミー(経済)を実地調査することでレジリエンス(立ち直る力)の源泉を発見しようというものだ。

 著者は、世界各地の極限を訪ねる。津波に襲われたインドネシアのアチェ、ヨルダンのシリア難民キャンプ・ザータリ、中南米のパナマとコロンビアにまたがるダリエン地峡……。全ての地域が、最悪の状況から立ち直ったわけではない。立ち直らない地域には、それなりの原因がある。著者は、必死でレジリエンスを見つけようとあがく。読む側は著者とともに世界の極限を旅しているかのような気持ちになる。

 日本の極限の地も登場する。「平均年齢が52に達し、日本の都道府県の中で初めて人口の半数以上が50歳以上、3分の1以上が65歳以上」という超高齢化の地、秋田だ。著者は「日本、いや世界の最先端、未来を先取りした場所」という。秋田を旅した著者は、高齢者と会い、彼らが直面する問題を探る。彼らは、口をそろえて「こんなに長生きするなんて思ってなかった」と長寿ショックを語る。長寿のロールモデルがいないことが最大の問題なのだ。そのため老後資金、年金不足、医療負担、孤立死などの悩みが彼らにのしかかる。

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