
新保信長著
1300円(文芸春秋)
通る声になる秘訣はあるのか。声が通らないと自覚する著者が、ボイストレーナーなど、専門家らの訓練を受ける。
先日、ある取材時のカメラマンが、とっても大きな声で「イエスッ! イエスッ! いいですねー、イエスッ!」と繰り返す人で、その場の空気を一気に変えていた。彼の構えるカメラに集中する空気が瞬時に出来上がった。声が大きい、というよりも、声が通る感じ。だが、実際のところ、「大きい」と「通る」の違いって、よくわからない。
新保信長『声が通らない!』は、タイトルの通り、声が通らないというコンプレックスを抱える著者が、声の専門家を訪ねたり、声にまつわる本を読みふけったり、声の仕事をしている人に話を聞くなどして、その理由を探る。飲食店で「すいませーん」と呼んでも店員さんが来てくれやしない。来てくれたとしても、ガヤガヤした空間で会話が成立しない、という苦い状況の改善を試みるのだ。
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