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『LIFESPAN(ライフスパン) 老いなき世界』
デビッド・A・シンクレア他著、梶山あゆみ訳
2400円(東洋経済新報社)

老化や長寿研究の第一人者が、医学の進歩で“老いない体”が可能になった場合の生き方について考察する。

 老化は避けて通れない。だから「仕方がないもの」として粛々と受け入れる。そういう“常識”は、もうすぐ過去のものになるらしい。

 『LIFESPAN』の著者、遺伝学の世界的権威であるデビッド・シンクレア教授は「老化は治療可能な“病気”である」と言い切る。最先端の生命科学を駆使して老化を遅らせ、食い止め、あるいは逆転(つまり若返り)させることで、現状よりはるかに長く、健康な人生を享受できるのだと。

 がん、糖尿病、心臓病、認知症、骨粗しょう症による骨折……。1つの病気を治療しても、また別の病気と闘わなければならないのが今の高齢者の現実だ。ピンピンコロリはかなわず、本人や家族にとってつらく苦しい時間が、人生の最後に待っている。だが、“諸悪の根源”である老化自体を食い止めれば、さまざまな病気のリスクを劇的に減らし、医療費を削減することができる。そして、50歳並みの活動レベルを保ったまま健康寿命を延ばし、安らかな死を迎えられるというのだ。