全1508文字
『サピエンス日本上陸』
海部陽介著
1800円(講談社)

日本人の祖先はどこからやってきたのか。3万年前の航海を命がけで再現し、日本人誕生の歴史に迫る。

 私たち日本人の祖先はいつ頃日本列島にやってきたのだろうか。後期旧石器時代の遺跡数は列島全体で1万150もあるが、これらの遺跡の年代はすべて3万8000年前以降に集中している。それ以前は列島は無人であったのだ。現時点では、3万8000年前に対馬から、3万5000年前に沖縄から、2万5000年前に北海道からという3つの渡来ルートが考えられている。当時の海面は現在よりおよそ80m下にあったので、北海道は大陸と地続き、本州・四国・九州は合体(古本州島)、台湾も大陸と地続きだったが、台湾と琉球列島の間には、黒潮という世界最大級の海流が流れている。しかも琉球の島々は小さく標高も低いため、航海の目標にするのが難しい。祖先たちはどのようにして海を越えたのか。著者たちはクラウドファンディングで約6000万円を集め、太古の航海の再現に挑んだ。本書はその記録である。