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 タイトルは『売上を、減らそう。』だが、正確には「一部の売上に制限をかけることによって、全体の売上を上げる」話だと受け取った。複数の店舗を展開し、フランチャイズ展開も考えているという記述もあったのでそうなのだろう。そう読み取ると、我々がこの本のエッセンスを、実際のビジネスに生かす方法が見えてくる。

今週の1冊
売上を、減らそう。
中村朱美著
1500円(ライツ社)

一般に、労働時間が長い飲食業界の中にあって、100食限定という昼の営業だけで成功した定食屋の挑戦の記録。

 百食限定のステーキ丼店「佰食屋」は、売り切れると閉店する。つまり、大前提として、「商品力」が高くなければならないこと、そして、需要が持続することが満たされなければならない。実をいうと、ビジネスを展開する上で、その状況に持っていくのは、容易なことではない。そして、リスクも大きい。天候や情勢によって、売上が大きく左右されるからだ。

 だとすれば、どうすれば、我々がこのモデルを取り入れられるのか?

 全体をセクション(部分)に区切って、ここの中での売上、利益の上限を設定することによって、セクション内のスタッフのインセンティブを明確にする、という手はかなり使えるのではないかと思う。そして、そのセクションが衰退したときには、新しいセクションがその部分を補う形にすれば、持続可能なビジネスモデルになる。ただし、働き方改革の、抜本的なモデルにはなりえないのではないかと、実際に複数の店舗を運営する僕は思う。

日経ビジネス2019年11月4日号 92ページより目次