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今週の一冊
ローカルラジオスター
ラジオ番組表編集部編
1300円(三才ブックス)

北海道から九州まで、全国のラジオ局で長年活躍する8人のパーソナリティーが、ラジオへの思いを語る。

 この春からラジオのパーソナリティーの仕事を始めたのだが、放送終了後、電車に揺られながら、その日の反省点を頭の中に並べて落ち込んでいる。「自然にしゃべろうとする不自然」が抜けない。自分がずっと聴いてきた番組は、常にドタバタしている印象なのだが、あのドタバタは体全体をラジオに投げなければ作り上げることはできない。よし、自然にいこう、と踏ん張る行為が、自然から遠ざかっているのだ。

 ラジオ番組表編集部編『ローカルラジオスター』は、タイトル通り、地方のラジオ局で長年パーソナリティーを務めてきた8人がラジオ論を語る一冊。東京在住の自分には「誰?」という人ばかりだが、地域限定でよく知られている人の言葉は強い。HBCラジオのYASUが大切にしているのは「卑下しないこと」と「同調しないこと」。卑下すると、そこで話が終わってしまう。同調すると、話が積み上がっているように見えて、実際には同じ粘土をこねくり回しているだけになる。

 BSN新潟放送の高橋なんぐは、ラジオを「『ひとり』は好きだけど『孤独』は嫌いっていう、僕のようなワガママ人間に射したひとすじの『光明』みたいな存在」だと位置付ける。南海放送で週7日の放送を続ける杉作J太郎は「ラジオに首都はないと思いますよ」と言い切る。地域密着、というありふれた言葉以上に、ラジオは聴き手に近寄ってくる。ラジオって距離が近い、と言われるけれど、異様に近いものなのだ。