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 わが国では、国際比較といえば、ほとんどのケースでアメリカの例が引かれる。戦後の日本は、アメリカに「追いつき追い越せ」というキャッチアップモデルで復興を成し遂げてきたのでやむを得ない面はあるが、アメリカと比較することは「比較論」として本当に正しいのだろうか。アメリカは、国土面積、増え続ける人口(これは覇権国家としては史上初めてのことだ)、世界一の原油産出量など、どれをとっても日本とは桁違いの構造を持つ超大国だ。「アップルトゥアップル」という言葉があるように、似た者同士で比べることが比較論の常識ではないか。その観点からすれば、わが国が参考とすべきは、人口や国土面積が似通っており資源にもさほど恵まれてはいないヨーロッパ諸国であると考える。ヨーロッパの中心はフランスである。折しもルノー日産問題や現代版「黄巾の乱」(イエローベスト運動)で耳目をにぎわしているが、本書はフランスの戦後の歩みを総体的に捉えた優れた概説書である。