誰一人として、こんな普通の男が米大統領になるなどとは思っていなかった。妻はおろか、本人さえも。しかし、それが現実になった。1945年4月12日、フランクリン・ルーズベルトの急逝に伴い、副大統領から大統領に昇任した『まさかの大統領』ハリー・トルーマンがその人だ。

『まさかの大統領』
A・J・ベイム著
河内隆弥訳
3800円(国書刊行会)
1945年4月。世界が激動するなか、前大統領の死去で米国大統領に就任した「普通の男」、トルーマンの実像に迫る。
貧しい農家に生まれ育ったトルーマン、若い頃は失敗の連続だった。しかし、40歳を前にして、地元のボスの支援を受けて郡の判事になった頃から運気が向いてくる。紆余曲折がありながらもミズーリ州の上院議員を経て、60歳の時に副大統領に任命される。
本人が強く望んで出世していったのではない。周囲の思惑や状況の中、消去法としてそうなっていっただけのことだ。副大統領に指名したルーズベルトですらトルーマンのことをよく知らなかったというのは驚きだ。
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