昼下がりにうとうとする高齢者が多いというイメージがある。過剰な昼寝と認知機能は関係あるのだろうか。腕時計型活動量計で測定したデータを使った研究が、米国で実施された。昼寝の時間や頻度と全般的な認知機能の間には、双方向の関係があることが示された。

昼寝の時間が長い、あるいは昼寝の頻度が多い高齢者は、その後認知機能が低下するリスクが高いことが、米国の高齢者を長期間追跡した観察研究*で明らかになりました。認知機能が低下すると、加齢に伴う昼寝時間の延長幅が大きくなることも分かりました。
活動量計で昼寝を測定
高齢者が昼下がりにうとうとしている様子を見かけることは少なくありません。また、アルツハイマー病患者に昼寝が多いことも知られています。昼寝習慣と認知症の関係については、これまでにもさまざまな議論が行われてきました。認知症になると目覚めを促す神経細胞が変化して、目覚めにくくなる可能性が示唆されている一方で、昼寝が多いアルツハイマー病患者では、この病気の特徴となっている脳における異常なたんぱく質の蓄積が早まる可能性も示されています。
しかし、高齢者を長期間追跡して、昼寝と認知機能の関係を調べたこれまでの研究は、一貫した結果を示せていませんでした。それらの研究はほとんどが、昼寝に関する調査を1回だけ行って、認知機能との関係を検討していました。また、多くが、本人から昼寝の時間や頻度を聞き取って分析していましたが、高齢者、特に、認知機能が低下している人が対象である場合、得られる情報の信頼性が低い可能性があります。
昼寝時間と頻度は、客観的に、複数回測定する必要があると考えた著者らは、そうした測定を実際に行い、以下のような仮説を立てて検証することにしました。
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