加齢が重要因子とされる認知症だが、食習慣はどの程度関係しているのか。欧米人を対象とした研究では、野菜や果物の摂取量と認知症リスクに逆相関関係が示されていた。今回、日本人を対象とした24年間にわたる研究で同様の傾向が分かった。

(写真=PIXTA)
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 野菜の摂取量が多い人は認知症のリスクが低いこと、また、野菜に含まれる栄養素の中にも、摂取量が多いほど認知症リスクが低くなるものが複数存在することが、日本人を対象とした研究で示されました。

 世界的な高齢化とともに、認知症患者も増えています。しかし、年齢上昇だけでは、近年の患者の増加を説明しきれないことが明らかになっており、加齢以外の要因の探索が続けられています。そうした中で、認知症の危険因子として注目されているのが食習慣です。

 これまでに行われた研究でも、野菜・果物の摂取量と認知症リスクの間には逆相関関係があることが示されていました。しかし、それらの多くは欧米で行われた研究で、東洋人を対象とする分析はわずかしか行われていませんでした。そこで九州大学などの研究者たちは、日本人の集団を24年間追跡し、野菜・果物と、それらに主に含まれている栄養素の摂取量と認知症の発症との関係を分析・検討しました。

野菜、果物の摂取量と認知症リスクの関係
野菜、果物の摂取量と認知症リスクの関係
注:「―」は有意差なし。「*」は傾向性は優位で摂取量が多いほどリスクは低くなっていた。「≠」は優位な傾向性は見られず 出所:BMC Geriatr. 2022 Mar 28;22(1):257.

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