最新の研究では、少量でも病気のリスクを高めることが明らかになっているアルコール。健康を損なわずにお酒を楽しむには、日ごろから何に注意をすべきなのか。日経ビジネスLIVEと日経Goodayが共同で5月30日に実施したウェビナーの内容を掲載する。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

竹内靖朗・日経Gooday副編集長(以下、竹内):本日は「一生健康で飲むための『飲酒の科学』」をテーマに、肝臓専門医の浅部伸一さんと酒ジャーナリストの葉石かおりさんに聞きます。

 日経ビジネス電子版および日経Goodayの読者へのアンケートによると、「コロナ禍をきっかけに飲酒習慣が変わった」と答えた40~50代は54.5%と半数を超えていました。具体的には、外で飲む機会が減ったことや、家で飲む量が増えたことなどが挙げられます。

浅部 伸一(あさべ・しんいち)
浅部 伸一(あさべ・しんいち)
東京大学医学部付属病院、国立がん研究センター、自治医科大学付属さいたま医療センターなど勤務。現在はアッヴィ合同会社所属。

浅部伸一氏(以下、浅部氏):飲み会自体が減りましたね。昔のように、2次会、3次会と飲みに行くこともほとんどなくなりました。外でむちゃな飲み方をしなくなった一方で、家で飲む量が増えて、アルコール依存症のリスクが高まってしまった方がいることも心配です。コロナ禍で景気が悪くなり、生活が不安定になったりすることで、大きなストレスを抱えて、それを紛らわすために飲む、という方もいるわけです。

「お酒に弱くなる」メカニズム

葉石 かおり(はいし・かおり)
葉石 かおり(はいし・かおり)
女性週刊誌の記者などを経てエッセイスト・酒ジャーナリストに。2015年に一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーションを設立。

葉石かおり氏(以下、葉石氏):私の周りでも家で飲む量が増えた人は多いですね。もともとお酒が好きで、外で飲めなくなったから家で飲むという人が多いのですが、コロナ禍でストレスが高まって家で飲んでしまうという人もいるのだと思います。