腸と脳の機能が互いに影響を及ぼすとする「脳腸相関」が注目されている。アルツハイマー病の発症と進行に重要な役割を果たすと考えられているが、そのメカニズムは明らかになっていない。東北大学の研究者らが、便秘と認知機能の関係について調べた。

慢性的な便秘がある高齢者は、そうでない人に比べて認知機能の低下が速いことが、東北大学の研究者らが行った研究*によって明らかになりました。
慢性の便秘は健康な人にも見られますが、高齢者ではその割合が高くなります。近年、便秘の患者では、腸内細菌叢(そう)に変化が見られることが示され、腸内細菌叢が便秘の発症や持続に関係するのではないかと考えられるようになっています。
一方、アルツハイマー病患者にも腸内細菌叢の組成の変化が観察されており、腸内細菌叢の変化は、炎症反応などを介して中枢神経にダメージを与えることが示唆されています。しかし、アルツハイマー病が進行すると、患者の水分摂取と身体活動が減少するために、便秘が悪化することも知られていました。
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