リモートワークで社員が孤立した結果、1人で多くの仕事を抱えメンタル不調に陥ることも。パフォーマンスが上がらない部下に、「適応障害」と言われたらどうすればよいか。精神科医・産業医の奥田弘美氏が、読者から寄せられた悩みに回答する。
本当に「適応障害」? 部下がリモートワーク中にサボりがち
リモートワークが中心の職場の管理職をしています。リモートワーク中に、レスポンスが悪く仕事も遅い社員がいて困っています。
実を言うとリモートワークが始まる以前、オフィスに出社していたときもサボりがちで、パフォーマンスが低いタイプの社員でした。
管理者として何度か注意していたのですが、さらに返信が来なくなってしまいました。
面談をしたところ、本人は「仕事をしようとすると体調が悪くなる、適応障害だ」と言います。
こちらが注意している内容は棚に上げて、適応障害だなんて……。どうも納得がいかないのですが、どう話せばよいのでしょうか。
(Aさん 48歳 中間管理職)
※読者から寄せられた「お悩み」です。個人情報保護のため設定や内容を一部変更しています。
もともと勤怠や勤務態度に問題があった社員が、リモートワークになって管理監督者の目が行き届かなくなったことで、さらに問題が悪化したというケースは、筆者が産業医を担当している企業でもチラホラ出ています。
例えば、リモートワークになったことで、上司が直接、勤務状況を監督できなくなったのをいいことに、就業中にこっそり私用のために仕事場を離れ、必要なときにすぐに連絡が取れなくなったり、出社しなくてもよいために夜更かしするようになって生活習慣が乱れ、就業中やオンライン会議中に頻繁に居眠りしたりする……といったトラブル事例もありました。

Aさんの部下も、リモートワークでさらにパフォーマンスが低下し、業務に支障が出ているようですね。
Aさんの指導に対して、「適応障害」という言葉を出してきたとのことですが、部下から実際に医療機関に通院して医師の診断を受けたという報告はあったのでしょうか?
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