水泳やゴルフなど運動の種類によって、死亡リスクの低下レベルはどう変化するのだろうか。今回、運動ごとに差はあるものの、総死亡リスクはいずれも有意に低下しているとの研究結果が発表された。高齢者になっても、楽しく継続可能な運動を選ぶことが大切だと言えそうだ。
定期的に運動する人は、運動しない人に比べ死亡リスクが低く、余命が長いことが示されています。では、同じレベルの運動量であれば、どの運動を行っても死亡リスクの低下レベルは同じなのでしょうか?
米国立衛生研究所(NIH)などの研究者たちは、高齢者が余暇に行う運動のタイプと死亡リスクの関係を調べることにしました。その結果、運動の種類によって死亡リスクの低下の程度に差はあるものの、推奨される運動量(運動目的のウオーキングなら週に2時間~3時間半程度)を満たしていればどの運動でも死亡リスクの低下が見られました*。
7種類の運動を比較

先に行われた、66万人を超える参加者のデータをプール解析した研究では、1週間に7.5(METs・時)以上15(METs・時)未満の運動をする人では、運動量がそのレベルに満たない人に比べ、死亡リスクが31%低いことが示されました。米国では、成人に、1週間に7.5(METs・時)以上15(METs・時)未満の運動を行うことを推奨しています。これは、運動目的のウオーキングなら週に2時間~3時間半程度に該当します。
今回、研究者たちは、余暇に7種類の運動を上記の推奨量の範囲で行うことが、あらゆる原因による死亡(総死亡)と、心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)による死亡、およびがんによる死亡のリスクに及ぼす影響について検討しました。7種類の運動は、ランニングまたはジョギング、サイクリング(フィットネスバイクも含む)、水泳、その他の有酸素運動、ラケットスポーツ(テニス、スカッシュ、ラケットボール)、ゴルフ、ウオーキングの7つとしました。
分析対象は、米国で1995~96年に開始された、食事とがんの関係を検討するための研究「National Institutes of Health-AARP Diet and Health Study」の参加者で、2004~05年の追跡調査で質問票に回答していた人々から選出しました。質問票は、異なるタイプの運動を週にどのくらいの時間行うかを尋ねていました。また、身長、体重、喫煙習慣や、質問票に記載されていなかったタイプの運動を行った時間などについても尋ねました。
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