外資系コンサルティング会社での勤務を経て、祖父が創業した日本交通に入社。以来、タクシーの進化に身を捧げてきた。入社直後には1900億円の債務返済に直面。34歳の若さで社長に就任してからは1カ月間にわたってタクシー乗務員の業務も経験した。タクシー配車アプリにいち早く参入したのも、相乗りなどの新しい乗車スタイルに挑戦するのも、全てタクシーの進化のため。日本交通・川鍋一朗会長の不屈の路程を追う。(写真=栗原 克己)
シリーズ
日本交通・川鍋一朗会長の「不屈の路程」

全4回
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日本交通・川鍋会長が直面したコロナ危機、売上高が一時7割減に
米国で経営学修士号を取得し、外資系コンサルティング会社を経て家業のタクシー会社に入社。34歳の若さで社長に就任した後、華やかな経歴とはほど遠いような泥臭い挑戦も繰り返してきた。コロナ禍では、その川鍋氏をもってしても「倒産…
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日本交通・川鍋会長 入社直後に突き付けられた1900億円の債務
コンサルティング会社在職中に、家業の日本交通に関するニュースが目に留まった。心に浮かんだ小さな不安は、社長である父に聞いても解消されない。中から見ようと入社を決意した。時の首相による「不良債権処理なくして景気回復なし」と…
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日本交通・川鍋会長 社長になってタクシー乗務員を務めたわけ
債務の早期返済を求める銀行との交渉は長く、苦しいものだった。経営再建のめどがついた段階で父に代わって社長に就任。その直後に父が他界した。「徳を残そう」。再建の恩人が発した言葉がその後の経営の道しるべとなった。
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「守旧派」と呼ばれても信念貫く 日本交通・川鍋会長
米国で目にしたライドシェアサービスの萌芽。タクシー業界の未来に大きな不安を抱いた。そのうちに見えてきたのは、ライドシェアが働き手に過度な競争を強いている様子だった。国内への導入の議論では反対の立場を表明。「守旧派」のレッ…
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不屈の路程
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全8回