曽祖父が紡績会社を創業した山形県寒河江市に根を張り、自らが信じるものづくりの哲学を糸やニット製品に吹き込み続ける。「流行は追わず、市場を創造していく」。そんな信念を貫いてきた。アパレルブランドの下請けとして、言われた通りの製品をつくるだけだった佐藤繊維をどのように変えてきたのか。佐藤正樹社長の不屈の路程を追う。
シリーズ
佐藤繊維・佐藤正樹社長の「不屈の路程」

全4回
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佐藤繊維・佐藤正樹氏 家業に戻るなり待ち構えていた繊維不況
創業の地である山形に根を張り、自らが信じるものづくりの哲学を糸やニット製品に吹き込み続ける。東京での仕事に熱くなれず、家業に戻った1990年代。待ち構えていたのは厳しい繊維不況だった。独自色を打ち出すことで生き残りを図る…
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佐藤繊維社長がイタリアで見た情熱、日本で味わった挫折
「一度工場を見に来ないか」。イタリアの繊維メーカーから願ってもない誘いが来た。訪れたフィレンツェで目にした「自分たちがアパレル業界を引っ張っている」という強烈な自負心。刺激を受けて独自の糸の開発に乗り出したが、顧客からの…
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佐藤繊維社長が貫いたクリエーターの執着心、ワシントンに届く
独創的な糸を開発したものの、衣料品の大量生産という奔流にのみ込まれ辛酸をなめた。それでも、時流におもねらず自分たちにしかできない糸を追い求めていった。その先に待っていたのは、とてつもない成功だった。
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コロナ禍でネット活用を模索 佐藤繊維社長が譲れなかった一線
極細モヘア糸など独自開発した繊維で欧米のブランドに知れ渡るようになった。ニット製品もテレビ通販を通して人気に火が付き、百貨店に直営店を出すまでに成長した。しかし、今度は新型コロナウイルスが経営に暗い影を落とした。
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全8回