この記事は日経ビジネス電子版に『「ユーザー目線」で学ぶAIこそが、人類の未来を救う』(12月15日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』1月10日号に掲載するものです。
ソーシャルメディア上のAI(人工知能)が誘発する、人間の悪行が問題になっている。米カリフォルニア大学バークレー校人間共存型AIセンターは、それを回避するための新たなアルゴリズムを提案する。
米カリフォルニア大学バークレー校人間共存型AIセンター事務局長

現在、AI(人工知能)をめぐる最大の懸念は、力を持ったロボットたちに人類が支配されるといったディストピア(反理想郷)的な未来像ではない。真の懸念は、機械が人間の悪行を加速させるのではないかということだ。中でもソーシャルメディア上のアルゴリズムが、人間の行動に与える影響に注目が集まる。例えば米ユーチューブは長年、ユーザーをより長く画面にとどめるため、お薦め動画を表示する「レコメンドエンジン」のような機能を導入してきた。
米ニューヨーク・タイムズの2019年の報道によると、極右思想のコンテンツクリエーターの多くは、アルゴリズムに好まれる修正方法を心得ており、より多くのユーザーに対してさらに極端なコンテンツの視聴を促すことが分かっている。ユーチューブはこうした動きに対し、ヘイトスピーチを排除する努力をしてきた。また19年の研究は、ユーチューブのアルゴリズムは「過激、または極端なコンテンツの視聴を妨げる点でうまく機能している」と主張する。
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