市場に入り込む「不等価交換」

<span class="fontBold">資産バブルは成長率より金利が低い時に起きた</span>(写真=PIXTA)
資産バブルは成長率より金利が低い時に起きた(写真=PIXTA)

 バブルとは、期待によってのみ価値が支えられるいかにも怪しげな存在である。アダム・スミス以来伝統的に、経済学が念頭に置いてきたのは、価値が同じもの同士が等価で交換される世界である。一方、バブル資産と財の交換は、当の本人の意識はどうであれ、冷めた目で財の流れを見ると、交換ではない。財の一方的供与、つまり贈与である。

 バブル経済の本質とは、等価交換を前提とする市場経済に不等価交換でしかない贈与が入り込んでいる世界なのである。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2022文字 / 全文3584文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「グローバルインテリジェンス」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。