価値観に基づいたパーパス(存在意義)を明確にし、それに沿った戦略を追求する企業はメリットを得られるという。「パーパス・ストレングス・フレームワーク」や「パーパススコアカード」など、経営ツールも開発されつつある。
スペイン・ナバーラ大学准教授

米ハーバード経営大学院教授

パーパス・ドリブン(パーパス駆動型)組織には、どのようなメリットが生まれるのか。2人の経営学者とコンサルティング会社スペインDPMCのアレックス・モンタナ氏、フィル・ソトク氏が解説する。
価値観に基づいて存在意義(パーパス)を明確にし、それに沿った戦略を追求する企業は、求心力や、従業員のエンゲージメント、顧客のロイヤルティーを向上させ、財務パフォーマンスを改善するなど多くのメリットを享受できる。現代、従業員は企業が地域社会や環境に与える影響に強い関心がある。多くのビジネスリーダーたちが、行動規範(パーパスステートメント)の策定を議題とすることも納得できる。しかし企業が単に行動規範を企業サイトに載せるだけなら大した効果は得られない。
パーパスは直接の引き金にはならない。筆者たちの研究では、パーパスは、組織全体で共有し行動を促すうえでの強固なコミットメント(約束事)だ。組織のあるべき姿、役割の意味や価値は、すべて共有したコミットメントから降ってくる。人々が仕事のやり方を変えようとするとき、パーパスがものをいう。
パーパスが組織に変革をもたらし影響を長続きさせるため、リーダーにはパーパスを明確に運用し、測るための持続的なアプローチが必要だ。
筆者らは過去の研究で、パーパスの明確な定義と発展に不可欠な要素を特定。その後フレームワーク化し、「パーパス・ストレングス・フレームワーク」とした。パーパス活用がどのような行動変容をもたらし、パーパス・ドリブンな組織にどのようなメリットが生まれるのか説明できる。

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