新型コロナウイルス禍で勤務形態を見直す企業が増える中、週4日働き3日休む「週4日勤務制」が注目を集める。社員の家庭生活や幸福度にはもちろん、企業側にも生産性の向上といったメリットがあるという。

英レディング大学ヘンリー経営大学院教授

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、人々の労働生活に大きな影響を与えてきた。最近では、「週4日勤務制」導入といった取り組みも珍しいものではなくなっており、より柔軟な勤務形態への移行が進んでいる。
こうした新しい勤務形態の下では、社員が減給されることなく、週4日間働いて3日休むことができるという形が一般的であることは、特筆に値するだろう。
勤務日数を週5日から週4日に減らすことで生産性が向上するという考えは、以前から提唱されており、実際にこれを裏付けるような強い根拠もある。
例えば、2021年にアイスランドで行われた研究では、減給を伴わない週4日勤務制が労働者の幸福度や生産性を向上させることが分かった。
21年の英スコットランド議会選挙では、同地域の行政府(地方政府)のスタージョン首相が週4日勤務制を導入する企業への給付金に1000万ポンド(約16億円)を拠出するという公約を掲げ、現在、試験運用中だ。
アイルランドも今年、減給なしの週4日勤務制を半年間にわたり実験的に導入する。スペインは新型コロナ禍からの経済回復施策の一環として、3年間にも及ぶ週32時間勤務制の試験導入に踏み切った。
このように世界各国の企業も、休日を週に1日増やすことで得られるメリットに、高い関心を持っている。
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