批判をそらそうとする優位集団

 権力や資源に恵まれた集団(社会科学者は優位集団と呼ぶ)のメンバーが、権力や資源に恵まれない集団(劣位集団)に対する差別を非難されると、自分たちを差別の被害者として描き、批判をそらそうとすることがある。これを競争的被害者意識(competitive victimhood)と呼ぶ。さらに一歩踏み込み、言論の自由や信仰の自由などに話題を変え、新たな次元の被害者意識を生じさせる人もいる。これらを脱線的被害者意識(digressive victimhood)と呼ぶ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3206文字 / 全文4521文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「グローバルインテリジェンス」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。