中国・西安と同じ記念碑が

 高さ1.8メートル、幅3メートルの岩に真備の姿絵を描いた大理石がはめ込まれ、「遣唐留学生吉備真備記念碑」と刻まれている。

 西安市の記念碑は長安城の朱雀門の近く、国士監(こくしかん)跡地に建てられているが、それと同じものをこの地に建てたのは、日本と唐を結んだ真備の偉業と苦労を忘れまいという地元の人々の熱意によるものだ。

 公園内にはまきび記念館もある。四隅が反り上がった屋根と朱塗りの柱で唐代の雰囲気をかもし出した建物の中には、吉備真備の業績をたたえる資料や写真などが展示されている。入口ちかくには遣唐使船の模型がどんと置いてあるし、まわりの壁には『吉備大臣入唐絵巻』に材を取った大きな絵が掲げられている。

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