父が築き上げたベイシアグループのホームセンター、カインズの社長に2002年に就任した土屋裕雅氏。安売り競争による消耗戦を避けるべく、SPA(製造小売り)業態への転換を推進。社長就任直後に競合が提携して生まれた巨大なライバルを抜き、ホームセンター業界首位の座を奪還した。「創るをつくる」を座右の銘としてきた経営者人生とは。
シリーズ
カインズ・土屋裕雅会長の「不屈の路程」

4回
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カインズ・土屋会長の決断 「会社を変えるために僕が代わる」
「仕事が嫌になったのか」。52歳での社長交代には否定的な見方をする人も多かった。内に秘めていたのは、カインズだけでなくグループ全体の発展に力を尽くしたいという思いだ。人が「創る」活動を支える企業群のさらなる飛躍を誓う。
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「逃げたと言われても仕方がなかった」 カインズ・土屋会長
新卒から6年間を過ごした証券会社を後にして、父が創業した会社に入った。プレーヤーとしてやりたいという希望がかなったものの、理想と現実の違いに打ちのめされる。そんなときに門をたたいた研究団体で、後に「師」と仰ぐことになる人…
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営業先で立ち尽くした1時間 カインズ・土屋会長の最初の挫折
「将来の社長」と言われながらも、話半分に聞いて将来のことは考えてこなかった。大学時代に読んだ1冊の本でウォール街への憧れが募り、証券業界に進む。配属は営業。人見知りで顧客の懐になかなか飛び込めないという壁にぶち当たった。
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カインズ・土屋会長 「自ら商品を創る」宣言に込めた社員への思い
社長になって早々、競合が巨大グループを形成し、公正取引委員会の警告も受けた。逆転のために見いだした手段は自ら商品を「創る」業態への転換だった。現場からの不評を受けながらも、社内外への宣言で退路を断った。
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全8回