株主総会での責任追及などを経て、不正融資の被害者の一部はスルガ銀行と和解した。だが、金融緩和による超低金利が続く中で多くの金融機関が血眼になって融資先を探している。金融単独の発展はもはや望めない時代、地方銀行には旧習を捨てた大変革が必要だ。

19年6月のスルガ銀行株主総会で議長席に詰め寄る不正融資の被害者(写真=スルガ銀行・スマートデイズ被害者同盟提供)

 2019年6月26日。スルガ銀が静岡県沼津市で開いた定時株主総会は冒頭からヤジと拍手が交錯し荒れに荒れた。スルガ銀行・スマートデイズ(SS)被害者同盟の参加者約200人が単元株を取得して株主総会に乗り込んだためだ。

 議長を務めたのは18年9月に就任した有国三知男社長。この時点で既に第三者委員会による調査報告書が公表されており、スルガ銀による組織的な不正融資が明らかになっていた。3時間22分に及んだ審議では、株主となった被害者から、投資用不動産の不正融資に関する質問が何度も繰り返された。

 株主総会は本来、株主が会社により良い経営を求める場だ。SS被害者同盟では、ここで不正融資の被害者救済を訴えることに慎重論もあった。

 しかし、SS被害弁護団の団長を務める河合弘之弁護士は「私たちは会社側が不正融資の問題を解決しない限り、組織として再建できないと分からせる目的で臨んでいた」と話す。採決を強行して株主総会を終了させたスルガ銀に対し、壇上の議長席まで詰め寄って抗議する被害者もいた。被害者らが抗議を繰り返した結果、スルガ銀はシェアハウスローンの債務者との本格的な和解に向けて態度を軟化し始めた。

 SS被害者同盟は株主総会への参加以外にも様々な手を打った。その一つが国会議員への陳情を通じ、国の問題として取り上げてもらう戦略だ。

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