事業シナジーに適した組織
前回取り上げた事業シナジーを生み出すことは、多角化企業の最も基本的な存在意義である。だが、多角化企業の組織の基本形である事業部制組織は、事業シナジーへの障害となりやすい。このパラドックスが生じるのは、事業部制組織が事業を単位としてヨコの分業を行うためである。事業シナジーの基礎である資源の共用は、事業間の協力なしには実現しない。だが、事業部制組織では事業の間に部門の壁(グループ構造では会社の壁)ができるため、協力が実現しにくいのである。
このため、事業シナジーを効果的に生み出すためには、部門の壁を越えて事業が協力する組織的な仕組みを作らなければならない。そうした仕組みを備えた組織を協力型組織と言う。
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