経営方針をめぐる内紛を機に、スムーズな事業承継をしようと決意する。「5年後に社長を辞める」と決め、それまでに会社を立て直そうと自分を追い込んだ。挑戦したのは長時間労働が当たり前だった外食産業の働き方を変えることだった。
![<span class="fontBold">菊地唯夫 [きくち・ただお]氏</span><br />1965年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本債券信用銀行に入行。頭取秘書を務めていた98年に経営破綻を経験する。その後ドイツ証券を経てロイヤル(現ロイヤルホールディングス)に入社。総合企画部などを経て2010年社長に就任。ロイヤルの経営立て直しに着手する。16年会長兼CEO(最高経営責任者)、19年から現職。(写真=陶山 勉)](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00129/091600041/pf.jpg?__scale=w:500,h:441&_sh=0d00df05f0)
1965年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本債券信用銀行に入行。頭取秘書を務めていた98年に経営破綻を経験する。その後ドイツ証券を経てロイヤル(現ロイヤルホールディングス)に入社。総合企画部などを経て2010年社長に就任。ロイヤルの経営立て直しに着手する。16年会長兼CEO(最高経営責任者)、19年から現職。(写真=陶山 勉)
東日本大震災から数カ月後のことです。当時コカ・コーラウエストの会長で弊社の社外取締役だった末吉紀雄さんと、かつての上司だった日本債券信用銀行元頭取の東郷重興さんに「相談したいことがあります」と会いに行きました。その場でお二人にお願いしました。「社長になって1年たちましたが、5年後に辞めるつもりです。証人になってください」と。
社長になって1年目に経験したロイヤルグループの内紛を機に、心に決めたことがありました。それは後継者にきちんとバトンを渡すことです。
会社の歴史を振り返ると、過去の5回の社長交代は、いずれもスムーズな承継とは言い切れないものでした。業績が悪くなってから交代するパターンが多かったからです。
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