ローカル鉄道「京都丹後鉄道」の運営で、マイカーの利便性に太刀打ちできないと痛感した。新型コロナウイルス禍で長距離移動が減る一方、自宅周辺の移動が増えていることに注目。スマートフォンで乗り合いタクシーを呼び出すオンデマンド交通で新たな公共交通の創造に挑む。

2015年4月に京都府・兵庫県のローカル鉄道「京都丹後鉄道(丹鉄)」の運営を引き継ぎましたが、売り上げは伸び悩んだ。沿線に住んで改めて、地方は自動車社会であると気づかされました。一家に複数台のクルマがあるため、利便性でマイカーに太刀打ちできず、鉄道の利用客を増やすのが難しかったのです。
打開策を模索しているとき、海外に「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」という概念があると知りました。複数の公共交通手段を最適に組み合わせてワンパッケージで提供する。「ローカル線を救う技術になるかもしれない」と思い、18年9月に北海道のJR釧網本線沿線で観光客向けMaaSを始めました。
丹鉄沿線ではなく、遠く離れた北海道を選んだのは、JR北海道の経営危機で廃線が取り沙汰されていたから。加えて、私が最初に就職した旅行会社「ラッツインターナショナル」時代にツアーをよく企画していて土地勘があったからです。
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