ウェブ販売や女性を意識したサービスで急成長を遂げた高速バスの「WILLER(ウィラー)」。もとは小さなツアー会社だったが、今では地方鉄道やアプリなどで配車する乗り合い交通も手掛ける。自身も想像していなかった突然の退職をきっかけに一念発起。起業の道へ進んだ。


WILLERと聞くと、ピンク色の高速バスを思い浮かべる方が多いかもしれません。ウェブサイトを中心にした販売、女性を意識した快適なシートなどでバス業界に新風を吹き込み、新型コロナウイルス禍になる直前の2019年は年間で約329万人にご利用いただきました。
「高速バス大手」と紹介されることが多いのですが、我々は「移動に関するマーケティング会社」と言っています。地方鉄道の運営もしていますし、21年からは自宅から半径2km圏内の移動に焦点を絞り、アプリや電話で配車する乗り合い交通も始めました。

WILLERの母体は、私が1994年に30歳で起業した旅行会社「西日本ツアーズ」です。事業を大きく変える過程で様々な困難が降りかかりました。映画『ダイ・ハード』の主人公のように、我ながらしぶとく生き残ってこられたものだと思います。社員たった3人で始まったスキーツアーの会社がどうやって移動サービスを展開する会社へ成長したのか。それをお話ししたいと思います。

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