商社で海外駐在を経験した後、最先端の経営を求めて外資系金融企業に転じた。先輩に声をかけられ、山口県にある「一介の服屋」、ファーストリテイリングのとりこに。アパレル“異能集団”が本気で世界一を目指す姿に「新しい経営」を感じた。

<span class="fontBold">柚木 治 [ゆのき・おさむ]<br> 1965年兵庫県生まれ。88年一橋大学経済学部を卒業し、伊藤忠商事入社。石油化学プラント事業部で米ヒューストンに2年半駐在。99年GEキャピタルを経て、同年にファーストリテイリング入社。野菜事業の失敗を経験するも、08年にGOVリテイリング(現ジーユー)副社長に。10年から現職でジーユーの成長をけん引する。</span>(写真=的野 弘路)
柚木 治 [ゆのき・おさむ]
1965年兵庫県生まれ。88年一橋大学経済学部を卒業し、伊藤忠商事入社。石油化学プラント事業部で米ヒューストンに2年半駐在。99年GEキャピタルを経て、同年にファーストリテイリング入社。野菜事業の失敗を経験するも、08年にGOVリテイリング(現ジーユー)副社長に。10年から現職でジーユーの成長をけん引する。
(写真=的野 弘路)

 新しい経営者像を追求したい──。漠然とそう思うようになったのは、大学生のころです。学園祭の実行委員を長く務めて、人生観が変わりました。

 大学に入るまでは自分の意見を主張するタイプではありませんでした。今でも時折思い出すのが、中学生の修学旅行での出来事です。消灯時間が過ぎ、布団に入ってみんなでコソコソと話している時に、クラスメートの印象を言う遊びが始まりました。私は「寝たふり」をしながら聞いていました。

 「柚木は?」。誰かが私の名前を挙げました。ドキドキしながら聞いた評価は「あいつは空気みたいだよね」。正直ショックでしたが、何も言い返せませんでした。

 そんな過去を引きずりつつも大学に進学し、上京して4人部屋での生活が始まりました。そこにはプライバシーなどありません。いろいろと話しているうちに、自分の色を出す楽しさのようなものを感じました。

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