亡くなった父親と同じ警察官になることを直前でやめ、浪人生活を経て大学に進学した粟田氏。神戸の洋菓子店でのアルバイトが、外食での起業のきっかけとなった。大学を1年で中退し、運送会社のドライバーで資金を稼いだ粟田氏は開業へまい進する。

粟田 貴也 [あわた・たかや]
1961年神戸市生まれ。64年に兵庫県加古川市に転居。81年に神戸市外国語大学に入学するが翌年中退。運送会社のドライバーなどを経て、85年に焼鳥居酒屋「トリドール三番館」を開業。2000年にセルフ式うどんチェーン「丸亀製麺」を開いた。海外展開や合併・買収を推し進め、15年にはグループで1000店舗を達成した。(写真=陶山 勉)

 父親は兵庫県警の警察官でした。僕が13歳の時に、くも膜下出血で亡くなりました。その時から、母親と兄と私で生きていくことになったのです。とはいえ、遺族年金もあり、生活が貧困を極めたわけではありません。でも、その頃からぼんやりと「成功」や「豊かな生活」を夢見ていました。

 中学時代は勉強がそこそこできて、地元では進学校として知られていた加古川東高校に入学しました。でも、高校に入ってからは勉強に身が入らなくなり、遊ぶことが多くなりました。友人の父親から紹介された日雇いのアルバイトで小遣い稼ぎもしました。結局、大学受験には失敗しました。

警察学校に入る直前に変心

 それなら「父親に倣い自分も警察官に」と思い、警察官の採用試験を受けました。試験は合格でしたよ。春には兵庫県芦屋市の警察学校に入学することも決まっていました。私の兄は今も現役の警察官です。父親と兄と私、みんな警察官になっていてもおかしくなかったんです。

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