シリーズ
不屈の路程

92回
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死期を悟り、怒とうの工場建設 協栄産業古澤社長
ビデオテープの廃プラ処理という手付かずの“都市油田”を発見。起業後初めて一大商機をつかんだ。しかし、急激な円高のあおりで需要は蒸発。売り上げ急減に見舞われる中、ペットボトル飲料に着目する。押っ取り刀でリサイクル事業に挑ん…
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燃え尽き症候群乗り越え見つけた“都市油田” 協栄産業古澤栄一社長
使用済みペットボトルを高品質の樹脂に再生する“都市油田”の開拓に突き進んできた。徒手空拳で挑み、ペットボトルリサイクルの最大手にまで成長。大手メーカーに次々食い込んだ。官公庁に殴り込みをかけ、顧客と真正面から向き合い続け…
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エアウィーヴ高岡会長兼社長 コロナ禍で学んだ不可抗力と闘う力
東京五輪で選手村に寝具を供給する準備を進める中、新型コロナウイルス禍で大会が延期となった。出店先の百貨店などが休業して売り上げが落ち込んだが、皆で知恵を出し合って苦境を乗り越えた。かつて失敗に終わった米国進出。同じ轍(て…
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エアウィーヴ高岡会長兼社長 米国進出の失敗、「再起」の足がかりに
2015年、夢に描いた米国進出を果たしたものの、消費者のニーズを捉えきれず大苦戦に陥った。競合企業の台頭などを受けて国内でも売り上げがダウンする中、米国事業の大幅縮小を決断する。海外で経験した失敗。だが、このときの試行錯…
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エアウィーヴ高岡会長兼社長 売れない日々、経営学から得たヒント
さまざまな工夫によって製品は完成したものの販路開拓は進まず、ほとんど売れない日々が続いた。何とか突破口を開こうと、米ビジネススクール著名教授の言葉からヒントを得て、ブランドづくりに着手。地道な努力を積み重ねていたある日、…
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「エアウィーヴ」の開発で、親族の“お荷物”だった赤字会社を再生
アスリート御用達のマットレスとして知られる「エアウィーヴ」を開発し、世の寝具に新たな価値を提供。父からの独立を願いつつ、父の興した会社に入社し、親族が経営する赤字企業の株式も買い取った。「家業承継と存続は自分の宿命」と自…
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ミキハウス木村社長 30年越しの苦心が実った「最高級ライン」
2000年代半ばに地価暴落で自社ビルを手放し、新型コロナウイルス禍では訪日客需要が蒸発した。創業から半世紀、幾多の試練が訪れ、社会構造が大きく変化しても、木村社長は全く悲観しなかった。高品質、高付加価値のものづくりを突き…
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ミキハウス木村社長 「感謝」を糧に五輪選手を100人超輩出
子供服ブランド「ミキハウス」は、歴代の五輪競技に総勢100人を超す代表選手を送り出してきた。きっかけは車いすバスケットボールチームの支援。木村社長は「企業は感謝されなあかん」と悟った。女子柔道や卓球、カヌーなど、支援する…
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ミキハウス木村社長 日本が無理なら「世界一」を目指す
子供服ブランド「ミキハウス」は日本の百貨店で展開するよりも早く、海外でデビューを飾った。1979年、米ニューヨークの百貨店が取引を開始。87年にはパリの一等地に直営店を構えた。ブランド価値を高めるため新本社の建設に着手。…
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ミキハウス木村皓一社長 「門前払い」からつかんだ勝ち筋
26歳で会社を創業して半世紀。一代で「ミキハウス」を世界的な子供服ブランドに育て上げた。経営者だった父の「薄利多売」主義に反発し、長男でありながら家業の婦人服メーカーを継がず起業。行商先で門前払いを食らいながら勝ち筋を見…
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キングジム宮本社長 臨機応変こそ最善の生存戦略
ファイルやラベルライターなど看板商品の需要が細る中、積極的にM&A(合併・買収)を進めてきた。変化を商機と捉え、「スピード第一で挑戦する」というキングジムのDNAをグループ各社に浸透させる。文房具のみに執着せず、家庭用機…
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キングジム宮本社長 ヒット飛ばす“10打数1安打”の社風
商品開発型企業をうたうキングジム。そのルーツは“偉大なる発明家”だった創業者の気質にあった。「10回に1回当たれば十分」という打率1割の考え方が、失敗を恐れず挑戦する社員を生む秘訣という。その考えが信念となったのは、いつ…
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キングジム宮本社長 人情派がリストラでかぶった非情の仮面
安価な中国製商品の台頭に押され、コスト削減や生産効率化のために国内拠点の閉鎖を断行。数多くの日系メーカーがたどった道だが、非情に徹しきれない宮本社長にとって苦い記憶となった。今日、苦境にあえぐ海外工場の存続に全力を注ぐの…
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キングジム・宮本彰社長 「テプラ」成功の慢心が招いた地獄
創業家に生まれ、「会社を継ぐ」との自覚から、常に1番を目指して人一倍の努力を重ねてきた。紙需要の先行きに危機感を抱き、電子文具へ参入。ラベルライター「テプラ」を大ヒットに導く。この成功で「テプラ社長」と名を上げたものの、…
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ニチガス和田会長 社内外の境目が溶ける未来に備える
「事業で業績を上げた人だけが社長になる時代は終わる」と常々、考えてきた。現業の執行力だけでなく、数字を読み解き、定量的に分析する力が経営のカギになるという。将来は会社と社会との境目が融解することすらあり得る。人材が集散し…
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ニチガス和田会長 米大手銀との提携で経営“開眼”
2011年秋、米大手銀行系ファンドと提携し、経営を一新した。現金は低収益資産、利益を生む資産に変える財務戦略を学んだ。自由化の中での戦いは10年代、経営の質を上げる新たな段階に入った。
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ニチガス和田会長 「獅子身中の虫」と呼ばれた営業攻勢
1997年のLPガス自由化で、料金引き下げなど徹底した営業攻勢に出た。業界の猛反発を受け、激痩せも経験したが、一歩も引かずに戦った。原点には、迷走した青春時代と営業員時代からの一途な努力があった。
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ニチガス和田眞治会長 非効率に憤り、奮い立った営業時代
入社以来、営業一筋。典型的な営業員だが、デジタル化に早くから取り組んだ。業務の効率化がコスト競争力を生み、市場が自由化された際には最大の強みになった。情報システムを業界のプラットフォームにする事業にまで乗り出している。
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カンデオホテルズ穂積氏 「稼げる社会貢献」で、弱き人の盾となる
高い顧客満足度が大手企業の目に留まり、各地で次々と開業要請を呼び込んで急成長を果たした。6000室体制までのめどは立ったものの、需要を見極め、「規模拡大は1万室まで」とゴールを決める。学生時代のボランティア経験から、本業…
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カンデオホテルズ穂積氏 負った借金35億円、覚悟支えた稲盛哲学
リーマン・ショックで親会社が経営破綻して別企業の傘下に。しかし、企業文化の違いに苦しんだ。自由闊達な社風を守るためMBOを選択。独立の条件として35億円もの債務を個人で保証した。社員を守るその動機、「善なりや」。尊敬する…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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