かつて不器用な日銀マンを主人公に据えた小説を読んだ。政界や産業界から無理難題を押し付けられる機会が多い日銀だが、内部で働く一人ひとりの職員は強い独立心を持ち、プライドが高いと記されていた。実際に日銀で長くキャリアを積んだ南雲の口から発せられた言葉だけに重みがある。池内は手元のノートに書き込んだ〈矜持〉〈心持ち〉の部分にアンダーラインを加えた。
「今回の騒動、外部から登用された瀬戸口さんには矜持が足りなかったということでしょうか?」
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