日銀は新時代の記事を憶測だと切って捨てた。広報課長の名前でリリースを出すと同時に、公式サイトでも新時代が報じたような中身はないと全面否定した。
大林がわざわざ神保町の事務所を訪ねてきた。膨大なメディアの過去記事をストックするヘルマン・アセットの運用部隊は、AIを駆使して動く。大林は新時代の報道スタイル、いや、相手を追い込み、奈落の底に突き落とすやり方を見抜いていた。
海千山千の政治家である磯田も同様だ。日銀が杓子定規に否定コメントを発表し、後戻りできなくなることを磯田はなにより恐れていた。
〈否定も肯定もできません。河田さんに恩義があるのは重々承知していますし、忘れたことはありません。でも、それとこれとは別問題です〉
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