この記事は日経ビジネス電子版に『「できる人以外いらない」米ネットフリックスの人材戦略』(2021年7月30日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月23日号に掲載するものです。

INSEAD(インシアード)のエリン・メイヤー教授は、グローバル企業が抱える文化の問題と向き合ってきた。米ネットフリックスなどのケースを取り上げ、組織文化のマネジメントについて聞く。

エリン・メイヤー[Erin Meyer]
INSEAD(インシアード)マネジメント実践教授
大学卒業後、米政府が運営するボランティア組織「平和部隊」の一員としてアフリカで2年間英語を教える。INSEAD客員教授を経て2021年から現職。専門は異文化経営で、企業幹部向けプログラム「国境と文化を超えるリーダーシップ」のディレクターも務める。世界各国の文化を8つの指標で分析する「カルチャー・マップ」で注目を集め、世界で最も影響力のある経営思想家を選ぶ「Thinkers50」に過去2度選出。

 イノベーティブで強靱(きょうじん)な企業文化をどう作るか。組織内の文化摩擦をどう乗り越えるか──。欧米、アジアなどで展開するビジネススクール、INSEAD(インシアード)のエリン・メイヤー教授は組織行動論が専門で、グローバル企業が抱えるこの問題と向き合ってきた。ここ数年は動画配信サービス、米ネットフリックスのリード・ヘイスティングス共同創業者兼CEO(最高経営責任者)と同社の企業文化を分析。成果を共著『NO RULES :世界一「自由」な会社、NETFLIX』(日本経済新聞出版)にまとめた。

 コロナ禍の巣ごもり需要を追い風に、2020年末の会員数が世界で2億人を突破するなど急成長が注目される同社だが、その原動力は自己変革とイノベーションの文化だ。1998年のサービス開始時はDVDを郵送レンタルしていたが、2007年にはストリーミング中心に事業を転換。外部から買い付けていたコンテンツも10年代初頭からは自社制作を開始し、アカデミー賞やエミー賞の常連となった。同10年には海外展開に乗り出し、今では会員の半数以上を北米以外が占める。

 ネットフリックスのような、自己変革を繰り返すイノベーティブな組織の条件は何か。

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