この記事は日経ビジネス電子版に『DXとサービス化で日立やトヨタが仕掛ける「KAISHA再興」の姿』(4月22日)および『トヨタ経営の「フルモデルチェンジ」はいつか』(5月11日)として配信した記事をまとめ、再編集して雑誌『日経ビジネス』8月2日号に掲載するものです。

日立製作所の変革を、日本にとって大きな出来事と位置づけるウリケ・シェーデ教授。大企業の「大転換」は、ニッポンの「KAISHA再興」実現に向けた明るい材料だ。

ウリケ・シェーデ[Ulrike Schaede]
米カリフォルニア大学サンディエゴ校 グローバル政策・戦略大学院教授
9年以上の在日経験があり、日本の経済、企業経営論、企業戦略などが研究領域。サンディエゴと日本をつなぐ研究所「Japan Forum for Innovation and Technology (JFIT)」ディレクター。2021年4月、本連載の原案になった著書『The Business Reinvention of Japan』(Stanford University Press)で第37回大平正芳記念賞受賞。ドイツ出身。

 最近、トヨタ自動車が「MaaS」(モビリティー・アズ・ア・サービス)企業になるという将来像をよく耳にする。例えばトヨタ未来都市「Woven City(ウーブン・シティ)」は、自動運転、自動飛行車、ロボット、スマートホーム、人工知能(AI)などの実証都市だ。豊田章男社長はモビリティーカンパニーへの「フルモデルチェンジ」を発表した。

 外国人の筆者の目には、トヨタが投資家、証券アナリスト、消費者に対して「地ならし」をしているように見える。DX(デジタルトランスフォーメーション)における長期的な競争戦略を理解してもらったうえで、売上高、コスト、利益の構造が本格的に変わる未来に備えてほしいのではないか。

「サービス化」とビジネスモデル

 トヨタだけでなく、DXとサービス化のトレンドが相まって、多くの製造業がビジネスモデルの再設計を迫られている。「サービス化」が進むと「製品」が変わり、さらにはその販売方法も変化する。利益の獲得には、これまでと全く違う事業の仕組みが必要になる。多くの企業にとって、新たな価格モデルを考えるのは初めての経験だ。まずは、「企業戦略」と「ビジネスモデル」の再構築が重要になる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1846文字 / 全文2851文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「世界の最新経営論」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。