この記事は日経ビジネス電子版に『ドイツ人経営学者が見た、日本企業が世界にとって大事な理由』(2月12日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』7月12日号に掲載するものです。

イノベーションも経済成長も停滞している日本。だが米国で日本の企業経営を長年研究してきた米カリフォルニア大学サンディエゴ校のウリケ・シェーデ教授は、「20群企業」の成功に光を当てる。

ウリケ・シェーデ[Ulrike Schaede]
米カリフォルニア大学サンディエゴ校 グローバル政策・戦略大学院教授
9年以上の在日経験があり、日本の経済、企業経営論、企業戦略などが研究領域。サンディエゴと日本をつなぐ研究所「Japan Forum for Innovation and Technology (JFIT)」ディレクター。2021年4月、本連載の原案になった著書『The Business Reinvention of Japan』(Stanford University Press)で第37回大平正芳記念賞受賞。ドイツ出身。

 外国人が、日本経済について書いた書籍やニュースなどを読むと、「失われた」「遅れている」あるいは「低い」といったネガティブな言葉にあふれている。無理もない。外国人の情報源は日本発のニュースだ。日本人が日本経済について悪いことばかり読み、発信しているからそうなっているにすぎない。

 「失われた20年」、すなわちデフレ、低生産性、成長の停滞、人口減少、地域の衰退など、確かにネガティブな要素はたくさん挙げられる。すべて事実で、懸案で、解決には新たな政策が必要だ。不思議なのは、経済状況がそれほど悪いにもかかわらず、なぜ日本は世界第3位の経済大国であり続けていられるのかだ。

停滞していても、経済規模はいまだ世界で3位
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 日本は、世界で人口11位、労働力人口では8位。そんな、中国の三大都市を合わせた程度の労働力しかない日本が、経済規模で世界第3位なのだ。これは素晴らしい実績だ。そして20年間、経済の悪いニュースが続いた今でもそれは真実だ。

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