この記事は日経ビジネス電子版に『リモートでチーム力を高められる? 星野リゾート代表と世界的権威が語る』(6月9日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』7月5日号に掲載するものです。

コロナ禍はエンパワーメントに対して、どんな影響を及ぼしているのだろうか。リーダーシップ論で知られるケン・ブランチャード氏、実践する星野リゾートの星野佳路代表が語り合った。

星野佳路氏(以下、星野):私が最初にブランチャードさんの本を読んだのは1980年代で、実践し始めたのが 90年代でした。ブランチャードさんにとって、組織にエンパワーメントをもたらす点で、新たに明らかになったアイデアやステップなどはありますか。

ビデオ会議はコロナ後も役立つ

<span class="fontBold">ケン・ブランチャード</span><br />1939年生まれ。米国の経営学者・コンサルタント。国際経営協議会にてマクフェリー賞を受賞。リーダーシップ理論で知られる。
ケン・ブランチャード
1939年生まれ。米国の経営学者・コンサルタント。国際経営協議会にてマクフェリー賞を受賞。リーダーシップ理論で知られる。

ケン・ブランチャード氏(以下、ブランチャード):その質問は、私が最近人々に問いかけている「新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)の中にも、何か希望の兆しはないか」という問いと関係しています。答えの一つが「Zoom」のようなビデオ会議システムであり、エンパワーメントにとって大きな意味を持っています。

 コロナ禍で私たちは直接、顔を合わせて会うことがこれまでよりもずっと少なくなりました。一方で、ビデオ会議システムは実際にオフィスまで行かないままであっても、定期的に人と会うことができる素晴らしい力をもたらしました。どこにいても顔を見ながら対話ができることを、私はコロナ禍で人をエンパワーメントする希望の兆しと見なしています。ビデオ会議システムがもたらしたものはコロナ禍が収束しても決して消え去らないでしょう。

<span class="fontBold">星野佳路</span><br />1960年生まれ。91年に家業の星野リゾートを引き継ぐ。同社は国内外で51カ所のホテル・旅館などを運営。(写真=栗原 克己)
星野佳路
1960年生まれ。91年に家業の星野リゾートを引き継ぐ。同社は国内外で51カ所のホテル・旅館などを運営。(写真=栗原 克己)

星野:星野リゾートの施設は国内各地だけでなく、海外にもあります。このため、対面ですべての社員と会うのは難しいですが、新しい技術を活用することで、確かにどの社員ともいつでも「会う」ことができるようになりました。

 人に会うことや会議をすることだけでは、移動のモチベーションとして不十分になってしまうかもしれない。私は旅行業界にいますから、人々に旅行してもらう方法を、新しい技術を使いながら見つけたい、と思っています。

ブランチャード:エンパワーメントの方法について私は数年前、変更を加えました。一言で言えばそれは、サーバントリーダーとなることです。

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