知識創造における対面の重要性を説いてきた野中郁次郎一橋大学名誉教授。AI(人工知能)の進歩が不可逆的な中、人間がどのように関わるべきかを考察する。

野中郁次郎[Ikujiro Nonaka]
一橋大学名誉教授
1935年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業。富士電機製造(現富士電機)を経て、67年に米カリフォルニア大学バークレー校経営大学院に進学、72年博士課程修了。82年に一橋大学産業経営研究施設教授。「ナレッジマネジメント」「SECIモデル」といった理論を広めた。富士通や三井物産の社外取締役を歴任。2017年にはカリフォルニア大学バークレー校最高賞の生涯功労賞を授与された。(写真=吉成 大輔)

 コロナ禍に見舞われる中、多くの企業は、可能な限り、在宅勤務での業務遂行が求められてきた。それに伴い、コミュニケーションの重要性が浮き彫りになり、対面とのバランスを模索し始めている企業も多い。野中郁次郎一橋大学名誉教授も、相手の行動を見ることで相手の意図を感じ取る細胞「ミラーニューロン」の存在などを根拠に、「人が対面しなければ知識創造は難しい」と言ってきた。

 こうしたオンラインコミュニケーションに限らず、産業界では今、AI(人工知能)とデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入が叫ばれている。だが、野中教授は「デジタルかアナログか」といったどちらかのポジションを強いる考え方ではなく、バランスを取っていくことの重要性を強調する。

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