世界的なマーケティングの巨匠、フィリップ・コトラー教授。今回は、生前のドラッカーとの議論から、激変する市場を生き抜くヒントを探る。

フィリップ・コトラー[Philip Kotler]
米ノースウェスタン大学経営大学院名誉教授
1931年生まれ。米マサチューセッツ工科大学で経済学の博士号を取得(Ph.D.)、その後米ノースウェスタン大学経営大学院の教授に就任。「近代マーケティングの父」と称される。教科書として版を重ねる『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』(丸善出版)ほか、著書多数。

 マーケティングの大家であるフィリップ・コトラー教授は、マネジメントの巨人、生前のピーター・ドラッカーと深い親交があった。その交流はコトラー教授に数多くの学びを与えてくれたという。

 「ある時、ドイツ語なまりの英語を話す男性から電話があった。『ピーター・ドラッカーです』。ドラッカーからの電話だった。私はドラッカーの本をたくさん読んで、その洞察の深さに大きな敬意を抱いていたため大変驚いて、耳を澄ませた。

 ドラッカーはこう言った。『(居を構える米カリフォルニア州の)クレアモントに来て、色々とお話をしませんか? 多分、話が合うと思います』。翌朝一番の飛行機に飛び乗り、ドラッカーを訪ねた。それが私とドラッカーの出会いだ。

ドラッカーの4つの定番質問

 ドラッカーの『話が合う』という意味は、(マネジメントの視点ではなく)我々は2人とも美術と日本が好きであるという点についてだった。ドラッカーは私を画廊につれていき、彼が所有する日本の美術品を見せてくれた。ドラッカーは日本人の経営者を、お金を受け取らずにサポートしていて、代わりに美術品を所望したという。実に美しい美術品だった。

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