マーケティングの巨匠、フィリップ・コトラー教授の連載第5回。今回は、米国の変化や、新常態以降の世界に必要な新・マーケティングミックスなどについて語る。

フィリップ・コトラー[Philip Kotler]
米ノースウェスタン大学経営大学院名誉教授
1931年生まれ。米マサチューセッツ工科大学で経済学の博士号を取得(Ph.D.)、その後米ノースウェスタン大学経営大学院の教授に就任。「近代マーケティングの父」と称される。教科書として版を重ねる『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』(丸善出版)ほか、著書多数。

 世界では、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「ニューノーマル」のさらに次を見据える議論が高まっている。マーケティングの巨匠、フィリップ・コトラー教授は現状をどう見ているのだろうか。

 「この状態がさらに何年も続いたら、かなり深刻だ。対応の仕方は国によって違うが、足元では3つの方法がある。1つはロックダウン(都市封鎖)だ。しかし、完璧なロックダウンは無理だ。いわゆるエッセンシャルワーカーが家に居続けるわけにはいかないからだ。

 2つ目のやり方は、ロックダウンはせず、スウェーデンがやったように普通に暮らすことだ。スウェーデンは、いわゆる集団免疫を早期に獲得しようと考えたわけだが、これも結果として死亡率をむしろ高めてしまっている。

 私の考えを言うと、ロックダウンと放任主義の間を取るやり方が一番正しいと思う。すなわちきちんとマスクを着用し、感染防止のため互いに物理的に距離を置いて過ごすことを絶えず意識し、都度、手を洗うこと。この徹底でかなり、幅広くまん延することを防げるだろう」

 だが現実には、コトラー教授が進める方法を徹底している国は少なく、米国では世界最悪の感染者数を更新し続けている。そんなコロナ禍に加え、大統領選後の混乱も続く米国を、コトラー教授はどう見ているのだろうか。

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