マーケティングの世界的な権威、米ノースウェスタン大学経営大学院のフィリップ・コトラー教授。今回は、前回に続き日本企業への助言を展開する。

フィリップ・コトラー[Philip Kotler]
米ノースウェスタン大学経営大学院名誉教授
1931年生まれ。米マサチューセッツ工科大学で経済学の博士号を取得(Ph.D.)、その後米ノースウェスタン大学経営大学院の教授に就任。「近代マーケティングの父」と称される。教科書として版を重ねる『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』(丸善出版)ほか、著書多数。

 前回、日本企業に「開発に3年もかけるのはやめるべきだ」と意見した米ノースウェスタン大学経営大学院のフィリップ・コトラー教授。企業戦略はもっとシンプルさを追求していくべきだと主張する。

得意なことを素早くやる

 「前回の連載で話したリーンマーケティング(アイデアをシンプルにして素早く取り組むマーケティング)は、日本企業の課題と大いに関係がある。今の日本企業は何事にも、動きが遅いと私は感じている。

 もっとシンプルに、得意なことをどんどんスピーディーに形にしていくべきだと思う。まず、日本はデザイン能力が素晴らしい。デザインはこれから、商品開発でますます重要になっていく要素だ。

 また、日本企業および日本人は品質に対する大変強いコミットメントがある。低品質なものを拒み、トップレベルの品質に作り上げることが得意だ。具体的な得意分野としては、例えば、ロボットについてはとりわけ革新的だと思う。ロボット開発では日本こそがリーダーだと私はみている。センサーも日本のレベルは群を抜いている。ドアに近づいたらドアが勝手に開くなどの発想自体は、日本以外ではそう簡単にはお目にかかれない」

ロボットとデザイン力が日本の強み
●コトラー教授が考える「日本が『最高』になり得る分野」
<span class="fontSizeM">ロボットとデザイン力が日本の強み<br /><small>●コトラー教授が考える「日本が『最高』になり得る分野」</small></span>
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 こうした得意技術、得意分野で、リーンマーケティングを進めれば、日本はこれからも革新的な商品を生み出せる、とコトラー教授は考える。

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