企業の目的(パーパス)を「稼ぎながら社会の問題解決をすること」と定義する英オックスフォード大学サイード経営大学院のコリン・メイヤー教授。最終回は、コロナ禍後の資本主義の行方について考察する。

コリン・メイヤー[Colin Mayer]
英オックスフォード大学サイード経営大学院教授
英オックスフォード大学卒業、同大学経済学博士(Ph.D.)。英ロンドンシティ大学教授などを経て1994年から現職。2006~11年、サイード経営大学院学院長。企業統治が専門。ヨーロッパ経済政策研究センター(CEPR)、欧州コーポレートガバナンス研究所(ECGI)フェローなどを歴任。

 企業が世界全体の問題解決に果たす役割の大きさに注目する英オックスフォード大学サイード経営大学院のコリン・メイヤー教授。「フリードマン型」の利益至上主義経済が行き詰まったように見える昨今、資本主義そのものについてはどう見ているのか。

「契約」より「信頼」が重要

 「資本主義について、今後最も変革を迫られる部分は企業の定義だ。資本主義の伝統的な企業の定義は、生産手段の所有と支配に重きを置かれている。オーナーと取締役が契約に基づき会社の経営に対し強い権限を持ち、従業員や取引先、サプライヤーなどいろいろな人と契約を結び、株主のため会社を運営する。この伝統的な位置付けでは、企業というものは、すなわち『契約の束』と定義されることになる。

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