仏INSEADのナラヤン・パント教授に聞く、リーダーが変わるための経営心理学。今回は「インポスター症候群」について取り上げる。

ナラヤン・パント[Narayan Pant]
仏INSEADマネジメント実践教授
米ニューヨーク大学経営大学院で博士号(Ph.D.)を取得。米モニターグループの戦略コンサルタントなどを経て現職、幹部教育学部長を務める。個人の変革における心理の変化や、認知行動の変化に関する研究が専門。
ネガティブな考えにとらわれないコツとは(写真=PIXTA)

 本連載では、仏INSEADのナラヤン・パント教授に、「人を動かすリーダー」になるための心構えや、そのための「行動変容」のさせ方、負の感情との付き合い方などについて話を聞いてきた。「変わりたい自分」になるためのステップや、感情的になってしまう原因が「恐れ」にあることなど、良きリーダーになるうえで克服すべきポイントが具体的に見えてきたはずだ。

 今回はさらに、リーダーが陥りやすい「インポスター症候群(Imposter Syndrome)」の正体と、この“病”との向き合い方について聞いていく。インポスター症候群とは、「自分の成功や今の地位は、自分の本当の実力ではなく外的な理由で、周囲は自分を過大評価している」などと考えてしまう傾向のことだ(下の図参照)。

 「多くのリーダーは、『インポスター症候群』に苦しんでいる。これは、『私はここにいるべきではない。私はたまたま運がよかったから今のポジションにいる。前任者と比べて自分は全く優秀ではない』などと考えてしまう傾向のことだ。読者にも、身に覚えがある人がいるのではないか。

 これは、決して恥ずかしいことではない。優れたリーダーですら、このインポスター症候群にしばしば陥るのだ」

リーダーが陥りやすい心理

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