既存事業で収益をあげながら、新規事業を育てて中核事業へと育てていく両利きの経営。最終回ではさらにそれを解剖し、ほかの経営理論との相違点を考察する。
米スタンフォード大学経営大学院教授

既存事業で十分に収益をあげながら、新規事業で稼ぐ力をつけていく「両利きの経営」。提唱者である米スタンフォード大学のチャールズ・オライリー教授は、両利きの経営の中で重要な3つの段階(着想・育成・規模拡大)を、ほかの経営理論や進化論を引き合いに出して解説する。3つの比較の前にまずはオライリー教授に「イノベーションの3段階」という考え方を聞いてみよう。
「イノベーションストリームとは、イノベーションの累進、建設、そして激変、の3段階のことだ。このうち最初の累進は1つの技術を磨いていく段階で、進化ではあるが、本格的なイノベーションではない。それは2番目の『建設』で始まる。『建設的なイノベーション』は経営学者のクレイトン・クリステンセン氏が言い始めた。既存技術を従来と違った使い方をすることだ。
使うのは既存技術なのだが、使い方を変えることでイノベーションを生む。ただ、建設的なイノベーションは、第3段階の激変的イノベーションまでは行かない。これはこれまでに全くない完全に新しい技術のことを指す。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1816文字 / 全文2511文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「世界の最新経営論」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?