AI(人工知能)が人間の仕事の多くを奪う未来が迫っている。AIと雇用、人間社会の未来について、英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授に聞く。

マイケル・オズボーン[Michael Osborne]
英オックスフォード大学機械学習教授
2010年、英オックスフォード大学で機械学習の博士号を取得(Ph.D.)。同大学でポスドク、リサーチフェローなどを経て12年准教授、19年から現職。日本のAI(人工知能)ベンチャー、エクサウィザーズの顧問も務める。

 「米国の全雇用の約47%が、コンピューターによる自動化で10~20年先に失われるリスクにさらされている」──。2013年、「雇用の未来」と題した共著論文でそう結論づけ、一世を風靡した英オックスフォード大学の気鋭の研究者、マイケル・オズボーン教授。ベイズ機械学習の専門家としてAI(人工知能)研究の最先端を追ってきた。オズボーン教授から見た雇用の未来、そしてAIの未来とは、どのようなものなのか、話を聞いていく。

意思決定もAIに代替される

 「AIが持つ潜在的な可能性は、実に変革的だ。AIはまず『意思決定の独占権』を人類から奪う。そもそも巨大で複雑なシステムの中で、人間が全てを知るのは不可能である。しかし、アルゴリズムには限界がない。全システムからデータを取れる。アルゴリズムはどの人間より情報通になり得る。これにより意思決定を人間だけに頼ることで生じていた様々な問題が、解決に向かうことは明らかだ。

 そのため多くの組織は、アルゴリズムをうまく活用し、これまで人間が作ってきた仕組みを再考し始めている。

 歴史をひもとけば、人間だけがやってきた多くのタスクが、次々と技術で自動化されてきた。だが、アルゴリズムやAIは、ただ単に人間に取って代わるだけではなく、これまでにない利便性を提供する。

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