デジタル時代の今、マーケティングの手法も日々刻々と進化している。「マーケティング4.0」時代に必要な発想を、スイスのビジネススクール、IMDのドミニク・テュルパン教授が解説する。

スイスIMD教授・前学長
デジタル時代のマーケティングは、これまでとは発想も手法も違ってくる。だが、既存の方法がすべて陳腐化するわけではなく、変わるべきものもあれば、変わるべきでないものもある。スイスのビジネススクール、IMDの前学長で、マーケティングが専門でもあるドミニク・テュルパン教授が講義の前に提案するのは「まず基本からおさらいすること、そもそもマーケティングとは何かを再考すること」だ。
「マーケティングには現在、様々な定義がある。中でも私が日ごろ好んで使い、経営学界や、世界の企業経営者の間で共有している定義は、『(マーケティングは)価値を理解し、創造し、届け、顧客に伝えること』というもの。これが基本だ」
ここでテュルパン教授の言う「価値」とは何だろうか。教授はまず、何がその製品・サービスの価値であるかは顧客が決めるものであり、企業のエンジニアやマーケターが決めるものではない、と断言する。

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